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センサー特集

この記事は、弊社で取り扱っている商品の中から、センサーについて紹介いたします。

 

 

第2回 フローセンサ( 2020/08 公開 )

 

川原 こんにちは。センサ専任担当 川原です。

センサコラム 第二回の今回はフローセンサについて紹介していきます。

気体の流れは目に見えません。
通常は、芝を千切って飛んでいくところや風見鶏の向きを見ることで風の流れを感じます。このような気体の流れる量を出力するセンサがフローセンサになります。

例えば、チューブの中を流れる空気の量を知りたい場合、目には見えませんし、チューブ越しでは触る事も出来ないためチューブにフローセンサを繋いで検出します。

オムロン製のフローセンサの特長は熱式質量流量検出方式と呼ばれる原理を使用していることです。
小さなチップ(※1)の上にヒーターとその両脇に温度センサがあります。空気が流れていないと両脇の温度センサは全く同じ温度です。空気が流れていると、下流の方が上流に比べて熱くなります。実際のセンサは周辺温度を測定して補正しているのでもう少し複雑な仕組みになります。
(※1)1.55x1.55x0.4mm角

カタログには「蝶の羽ばたきさえもオムロンのフローセンサなら検知する。」とあります。
そんな僅かな変化を知りたい機会があるのかどうか分かりませんが日本人として空気を読む、風の流れを読む技能が磨かれた結果でしょうか。ブラジルの蝶の羽ばたきが分かれはテキサスの竜巻は未然に防げそうです。

ちなみに、ブラジルの蝶で有名どころではモルフォ蝶。
鮮やかなモルフォ蝶の青色は、光の干渉により青色だけを強めて反射する仕組みらしいです。モルフォ蝶の羽のSEM画像は必見です。複雑な構造が生命の神秘を感じさせます。この発光原理に触れて大学生時代の実験の時に、ガラスに金属を蒸着させて光の干渉で緑色を作った事を思い出しました。懐かしいです。

おっと、話がずれました
蝶の羽ばたきは、僅かな気流の比喩だと思います。

さて、オムロン社がラインナップしているフローセンサを紹介して行きましょう。
・MEMSフローセンサ(流量タイプ)
・MEMSフローセンサ(風速タイプ)
・MEMSフローセンサ(差圧タイプ)

差圧センサは圧力センサでは無いのかなと思いましたが カタログを見ますと、空気漏れの流量を測定して圧力に変換した数値を出力する様です。と言う事で3つとも前述の熱式質量流量検出方式のフローセンサを使用しています。

流量計測タイプ

まずは流量タイプから見て行きます。
空気,LPGと都市ガスが計測できる様です。LPGはプロパンガスになります。
LPGと都市ガスは使用分野が限られているので、主に空気の流量を測定できます。
流量と流路への接続方法で選べます。流量は0.1〜5L/minと幅広い範囲から選べます。流路への接続方法はネジ式やマニホード式があります。ライナップはカタログをご確認頂ければと思います。
ここで注意すべきことがあります。センサ部が測定する流体(空気)に直接触れる為、湿気混じりの空気を測定するとセンサ部に湿気がつきます。そうすると正確な値が測定できないばかりか、センサチップ上でショートが発生しチップの故障になる場合があります。湿気やホコリに原理的に弱いです。

少しのホコリは許容して欲しいという場合は、内部でホコリを分離するPタイプをご利用ください。
内部の気体流路を工夫することでダストを分離してセンサ部分へのダスト混入を防ぐのもあります。エアコン等の吸排気向けです。それでも人間が呼吸できるぐらいの清浄さが必要です。

風速計測タイプ

これも同じセンサを用いている様ですが流量から風速へどうやって変換しているのだろうと悩みました。カタログに記載されている風洞の流速測定位置とは何なのかと。
注意文をよく読むと、質量流量より換算した値であり計測法に定められた流速を表すものではありませんと書いてありました。これはオムロン社が一定条件下の風洞実験で質量流量と風速の相関式を作成した結果を使って流量を風速に変換している様です。

流速測定位置とは、他社の流速計で流速を調べた位置と分かり納得です。流速を知る為には別の原理に基づいたセンサを使用する様です。出力値が異なるだけなので風速計測タイプをなぜ作ったのか不思議に思いましたが、流量タイプと比べて形状や目的が異なります。チューブにつなぐ事は無く、風が流れるところに置いておくだけのセンサです。前述のPタイプと同様に内部でホコリを分離するタイプになっています。ファンや風量の多い場所で、風の勢いが知りたい時に使われる様です

ここちらは2軸センサもラインナップされています。風がどの方向来ているのか分かります。
自分のところだけクーラーが直接当たっている問題はどのオフィスにもあると思います。その科学的な解決策として、このセンサでお部屋の中の空気の流れを可視化すれば、最適な扇風機の設置場所が分かると思います。素晴らしい。

差圧計測タイプ

差圧タイプどのような時に使うのでしょうか。
これは、出口と入口の2点間の圧力の差を検出して空気の流れを確認できるので 途中に配管があるようなアプリケーションでも、その影響を除いて流量を観測できます。

さて、タイプ別に用途を確認して参りましたが 用途によって選択するフローセンサは様々です。測定範囲を選び、流量タイプの場合は最後に接続方法を選んで形式を決めます。

下記、想定されるアプリケーションをまとめてみました。
流量タイプは、都市ガスの使用量メータに使用されます。また、環境測定機器向けに使われるのではないでしょうか。精密に流量が知りたい場合に使われる様です。計測対象は乾燥空気や都市ガスになります。その他のガスはセンサ部が腐食する可能性もあるので、弊社センサ担当まで、ご相談願います。
風速タイプは、ダクトの中にセンサを置いて、ダクト内の風速を計る用途です。空調やドラフトがしっかりと動いているかどうかが分かります。計測対象は乾燥空気になります。
微差圧タイプは、配管の途中ではなく、入口と出口の圧力差を見る事で空気の流れを大まかに知りたい場合に使えます。例えば、ビルなどで空調の風が流れているかどうかを調べることができそうです。これも計測対象は乾燥空気になります。

詳しくはオムロン様のホームページをご参照願います。
https://www.omron.co.jp/ecb/product-info/mems-flow-sensor-selection

次回は圧力センサの紹介になります。

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