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水晶振動子 〜 九州電通株式会社様

この記事は、通信販売にて取り扱いしている水晶振動子について紹介いたします。

九州電通株式会社

  所在地 ( 本社 ) : 長崎県大村市福重町 340

  TEL : 0957 - 55 - 8877 / FAX : 0957 - 27 - 4018

  URL : http://www.kdk-group.co.jp/02japanese/j_home.html

第4回 会社と業界について( 2/2 )( 2013/6 公開 )

川原 ( 以下:川 ) 前回に引き続き九州電通の佐藤営業部長にお話を伺います。

佐藤 ( 以下:佐 )どうもこんにちは。今回は、水晶デバイスの業界についてお話ししたいと思います。

川:よろしくお願いいたします。

= 水晶業界全般 =

川:第1回目で教えていただいた様に、水晶デバイスと言うと水晶振動子以外にも水晶を使った製品がたくさんありましたね。

佐:そうです。そうです。水晶振動子以外にも回路を組み込んだ水晶発振器や水晶フィルタがあります。水晶発振器に恒温槽をつけた OCXO等々バリエーションも豊かになります。これらをまとめて、水晶デバイスと呼んでいます。

佐:第2回目でもご紹介しましたが、水晶デバイスの世界市場は 3,408億円( 2011年 )。世界で毎年 約3,000億円分の水晶デバイスが新しく作られているという事です。これと同規模の市場がポテトチップス市場です。スナック菓子の一分野のポテトチップスと同じです。スナック菓子メーカーならありますけどポテトチップス専業メーカーは聞きませんね。つまり、世界市場として水晶デバイスはそんなに大きくは無い市場だと思います。

川:しかも、2009年度は 3,240億円ですから、ほぼ横ばいですね。スマートフォンなどで、もっと伸びていそうな気もしますが?

佐:確かに、水晶デバイスは電子機器に必要不可欠で、しかも電子機器は身の回りにたくさん普及しました。水晶デバイスの生産数量も右肩上がりです。でも、市場は伸びていません。なぜだと思いますか?

川:いやー、なんなのでしょ。同じ金額でより多くの水晶デバイスを買える訳だから。そうか、単価が下落しているからですね。

佐:そうです。残念ながら水晶デバイスの単価はどんどん下落しています。ただ、時計やスマートフォン向けなど大量生産する分野で単価の下落が進んでいて、弊社の得意とする、少量多品種の分野も一緒に単価の下落が進んでいないことが幸いです。ただ、まったく下落していないわけではないですが。

川:ところで、日本メーカー勢の世界シェアはどれぐらいなのですか?

佐:さきほどの 2011年のデータですと世界市場に対する日本の売り上げシェアは約6割です。日本のシェアに台湾、韓国、中国、アメリカと続きます。詳しくは、水晶デバイス工業会の統計データを参照してください。
資料では分からないのですが、各国は特色があって台湾はパソコンや携帯電話などの EMSメーカーと協業でシェアを伸ばしています。アメリカは軍需産業と協業しています。

佐:ちなみに、米軍のMIL規格は水晶振動子が最初にできました。そのことからも、米軍にとって水晶デバイスが重要部品であることが分かりますね。あと、中国はとにかく安い。という特色があります。ということもあって日本メーカーの目下のライバルは台湾です。目指しているものが似ているのです。

川:いろいろな呼び方を知っていれば調べるときに便利ですね。その呉江は、地図で見ると上海の近くなのですね。

佐:ちなみに、大村にある長崎空港から上海までは 約800km、東京までは 950km。つまり、長崎・大村からは上海より東京の方が遠い所にあります。同じ国内でも東京までの距離の方があるとは変な感じがしませんか?

川:シェア6割という事は、独占は出来ていないだけでまだまだ世界一と言う訳ですね。

= 九州電通のポジション =

川:日本メーカーは、世界で高品質な水晶デバイスを供給しているのはわかりましたが、その中でも御社の得意分野はありますか?

佐:先ほども、ちらりと出ましたが少量多品種の分野が得意です。特殊な周波数や大手が生産を止めてしまった古い型式など、比較的競争の少ない分野がメインです。その代わり、品種を多数揃えていますので、欲しい物は見つけやすい会社だと思います。

川:そう聞くと、顧客にとって便利そうな会社ですね。

佐:その方針が正解だったのか、民生品に多量に使用される水晶デバイスを製造している大手メーカーにはかないませんが、それを除く中堅メーカーとしては大手の規模に成長することができました。また、少量多品種なので、特定業界に偏ることなくいろいろな技術が蓄積できることが魅力ですね。この先どんな環境の変化があったとしても、それに対して対応できる会社だと思いますよ。

川:おお、それは逞しいですね。

= 10年後の業界 =

川: この先10年間で水晶デバイス業界内に何があると思いますか?

佐: いや、変化がないかもしれないと考えています。つまり、供給が飽和して成熟市場になってしまうと考えています。例としてメモリの市場がわかり易いのではないでしょうか。パソコンや電子機器に使われる、SRAMや DRAMなどですが、最初は数十社ぐらいメーカーがありました。しかし、今では業界の再編が進んで十数社程度です。ほとんどが海外メーカーです。さらに単価の下落も凄まじいものがあります。同じような事が水晶デバイス業界でも起きる可能性があるだろうと思います。

川:水晶デバイスメーカーの再編の可能性ですか。

佐:はい、企業名を出して説明することはできませんがすでに再編は始まっています。そういったことも考えての少量多品種のカスタム対応です。これは景気の影響を受けにくいのですよ。
良い方向にも悪い方向にも影響が少ないので、景気が良い時は恨めしいですが、生き残りを掛けるような激しい競争とは、距離を置いているので安定しています。

=10年後の九州電通のポジション=

川:そのころの御社はどうなっていますか?

佐:少量多品種の方針はこれからも変更せずに、お客様それぞれと向かい合った商品を供給していきたいです。例えば、メトロ電気さんの通販で取り扱っている「HC-49/S3」は大手で廃止品になっている形状の水晶振動子ですが、弊社では廃止品になる予定はありません。それは、まだ使用しているお客様がいらっしゃるからです。

川:新製品も良いですが、安心して使用できる型式ってありますよね。

佐:たとえ業界が変化し弊社が変化しても、10年後も変わらずに弊社の商品を供給し続けられるようになればと努力しています。そう言う安心感も提供できれば思います。

= 技術的なアドバンテージ =

川:プラズマエッチング技術って、Si プレートにMEMSの微細加工に使われる技術だと思っていました。まさか、こんな風に水晶の高性能化に使用されているなんて知りませんでした。

佐:最近の試作で、基本波で1GHzも可能です。 計算上は何マイクロメートルまで削っていることになると思いますか? 第2回目の時に教えた計算式に当てはめてください。

川:えーっと、桁がああなってこうなって、、え、1.67nmの厚みになってしまいました。とんでもない薄さですね。原子一個の大きさが 0.1〜 0.3nmの大きさですから、これ以上削ると分子の状態で存在しているかが疑わしくなりますね。と考えると基本波での高周波数化は限界だと思いますが、次なる一手は?

佐:そのあたりは、さすがに秘密です。ですが、また新しい技術を解説期待してください。

川:次回はいよいよ御社商品について説明してもらいます。


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