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水晶振動子 〜 九州電通株式会社様

この記事は、通信販売にて取り扱いしている水晶振動子について紹介いたします。

九州電通株式会社

  所在地 ( 本社 ) : 長崎県大村市福重町 340

  TEL : 0957 - 55 - 8877 / FAX : 0957 - 27 - 4018

  URL : http://www.kdk-group.co.jp/02japanese/j_home.html

第5回新商品について( 2013/8 公開 )

川原 ( 以下:川 ) 前回に引き続き九州電通の佐藤営業部長にお話を伺います。

佐藤 ( 以下:佐 ) どうもこんにちは。今回は、弊社にて取り扱っている水晶デバイスについてお話ししたいと思います。

川:今回もよろしくお願いいたします。

= ご連絡 =

佐:本題に入る前に、お知らせする事があります。弊社のホームページのアドレスが変わったのは気付きましたか?

川:え、そうなのですか?あ、ドメインは変更になっていませんが、フォルダ名を変更していますね。

佐:もしブックマークしている場合は、アドレスの変更をお願いします。

川:はい、分かりました。今ちょっと確認してみますね。おおっ、製品分類がすっきりしたレイアウトになって見やすくなったと思います。

佐:ありがとうございます。 さて、本題に入りましょうか!

= 水晶デバイスの種類について =

佐:細かい仕様について説明しますと、とても多岐にわたるので、おおまかな分類と個性的な製品について説明いたします。

川:カタログをザザッと拝見しますと、周波数 / 温度範囲 / 精度 / 負荷容量は、自由に指定できるのですね。

佐:ええ、そうです。そこが細かい仕様になります。その辺は詳しく説明してもあまり面白くありませんので割愛させてください。

川:はい、わかりました。具体的な話になったときに細かい仕様について問い合わせる様にします。

佐:まずは、弊社で取り扱っている水晶デバイスを大きく分けますと、振動子/発振器/水晶フィルタと3種類に分かれます。

川:水晶振動子は、正確な振動を作り出すデバイス、水晶発振器は水晶振動子の精度 / 特性をさらに良く使用するために専用の回路を組み込んだデバイス、水晶フィルタは波をろ過して必要な周波数を取り出すデバイスですね。

佐:そうです。さらに形状で分ける場合は SMD ( Surface Mount Device ) およびリードタイプがあります。現在の生産は9割が SMDタイプのデバイスになります。機械での実装を考えた場合、また最終製品が小型になっていますので、小型の SMDタイプがより求められています。

川:SMDは足ピンがなく基板に載せるタイプ。リードタイプは足ピンがあり基板の穴に挿すタイプですね。リードタイプを自動機で実装するのは大変だと思います。

佐:あとは、用途で分ける場合、コンピュータ用と通信機器用がおもに使用されている二大分野です。

川:なんだか、本当にいろいろありますね。

佐:そりゃあもう、多品種少量生産が弊社の売りですから、いろいろありますよ。特に大手他社が終息させているような製品でも、弊社では作り続ける予定ですからね。

川:部品が生産中止にならないかぎり電気回路図の変更が必要ないので、長期的に使用するユーザーにとってメリットが大きいと思います。

= MAG( プログラマブルクロックオシレータ )=

佐:これで、大体の分野 / 用途を網羅していると思います。 が、すこし弊社の個性的な製品も紹介しましょう。

川:それはどんな製品なのですか?

佐:まず、プログラマブル クロック オシレータと言いまして、弊社では MAGシリーズとして紹介しています。これは、通常の水晶発振器と比べるとジッタ特性が少し良くなくノイズにも少し弱い。ゆえにコンピュータ、周辺機器用程度ではまったく問題ありませんが、厳しいジッタ特性、ノイズ特性を求められる通信機器用にはあまり向いていません。

川:そんな製品はどんなときに使われるのですか?

佐:この製品の特徴は、プログラムと名前にもある通りプログラムできる点にあります。つまり、必要な周波数を製作した後から設定できるのが特徴です。製品として在庫しておいておき、受注後に外部から周波数を設定します。そのためどんな任意の周波数でも、普通の水晶デバイスは最短でも 1ヶ月ぐらいかかるところが、長くても2週間程度で納めることができます。

川:使いたい周波数が、たまたま在庫でない。なんてことはありそうです。そんなときや、実験 / 試作用には便利そうですね。

佐:はい、この製品は納期を優先するお客様に好評です。また在庫を持ちたくないお客さんにも便利です。さらにもうひとつの個性的な製品ですが、こちらは弊社の独自加工技術を使った製品になります。

= MESA( 特色のある製造技術 )=

川:独自技術というと、プラズマで水晶を限界まで薄くする技術ですね。

佐:はい、その通りです。こちらは高周波数を求めた製品になります。独自技術の名前は MESA ( メサ ) と言います。その特徴は、基本波で高周波数に対応できる点です。通常は高周波数が必要なときはオーバートーンと言う技術を使いますが、MESA技術はそれが必要ありません。そのため、ジッタ等の特性が上がります。

川:つまり、他社より精度に優れた高周波数の水晶製品ということなのですか?

佐:はい、そうなります。但し、精度を高める方法は他にもあり、例えば恒温槽付き水晶発振器 ( OCXO ) もありますから、精度が一番良い製品とは言えません。がしかし、シンプルに高周波を出せる方がコストパフォーマンスでは有利だと思います。

= MESAの狙いどころ =

川:そんな製品はどんな所に使われるのですか?

佐:携帯電話基地局など伝送用途が多くなると思います。理由は、最初にデータ通信の高速化です。これは高周波数が求められます。次に高周波数でも信頼性の高い、つまりはノイズの少ないのは非常に有利に働きます。最後にコストです。先ほど挙げた OCXOに比べると、ほどほどのコストかと思います。

川:高周波数ながら基本波で動作するため、特性の良いので通信用に使われるのですね。

佐:そうです。3倍高調波を使用して高周波数の発振をさせるよりも、基本波で発振させた方が高特性の製品になると言う事です。現在は 270MHzまで基本波で発振させる製品を提供することができます。

川:なんだか、とんでもない数字までになりましたね。

= MESAの技術概要 =

佐:MESA ( メサ ) の言葉の意味は土手です。なぜ土手かと言うと、プラズマエッチングでブランク ( 水晶素板 ) の内部をえぐって加工した形状が土手の様に見えるからです。ブランクを機器の上にセットして、この土手をプラズマエッチングで作ることがメサブランク工程です。

川:へー、MESAって何かの頭文字を取った略語だと思っていましたが、そうじゃないんですね。


佐:弊社はプラズマエッチング技術でブランクをもの凄く薄くに加工します。他社では湿式のケミカルエッチングと言う方式を採用しており、それは薬剤を使って水晶の表面を溶かして薄く加工します。
 一見、同じ加工結果が得られそうですが、例えば水晶に微細な穴が開いている場合、ケミカルエッチングの場合は穴を広げてしまいますが、乾式であるプラズマエッチングではそうはなりません。ですので、工程として優れていると自負しています。また、プラズマエッチングの場合は薬剤を使用しませんので地球環境に比較的やさしいといえます。

川:ホームページを見ると Mesaとロゴがついているものがいくつかありますね。これ全部に Mesa技術が使われているのですか?

佐:そうです。今年は特にライナップを増やしており、ここまで増えました。この Mesa技術は優れた技術だと自負しておりますので、多くの方にこの技術を使った製品を体験して頂けたらと思います。

= 水晶フィルタ =

川:最後に水晶フィルタ製品はどのよう様な特徴がありますか?

佐:これは無線機市場で使用されています。例えば、陸上、海上、航空機の無線機等で使用されており、ほぼカスタムメイドになります。標準品はある事はありますが、実際は細かい仕様が指定され、カスタムメイドになる場合が殆どです。

川:ということは、お客様の要望に柔軟に応えられる御社の特徴が生きる分野ですね。

= 振り返って =

川:さて、この九州電通の特集記事も最終回を迎えることとなりました。佐藤さん、お付き合い頂きありがとうございました。

佐:こちらこそありがとうございます。自社製品について考えをまとめるいい機会でしたよ。

川:最初は水晶デバイスについて余り詳しくはなかったですが、この連載を通して少しは水晶デバイスについてわかったような気がします。

佐:わからないことがあれば、いつでも質問してください。どんな質問や相談がきても応えられるように、弊社も日々精進していますから。

川:頼もしい限りです。思い返せば、製造国ごとに水晶製品の用途、得意不得意の特徴があるという話は興味深かったです。また機会があれば、お話を聞かせてください。

佐:ええ、ぜひとも。

この記事、製品に関するお問い合わせ先

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