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センサー特集

この記事は、弊社で取り扱っている商品の中から、センサーについて紹介いたします。

 

 

第8回 人感センサ( 2025/12 公開 )

川原 第8回目となる今回は、オムロンが提供する「人感センサ」についてご紹介します。 オムロンの人感センサには、大きく分けて 「人理解画像センサ」 「画像型人感センサ」 の2種類があります。どちらも同社の顔画像センシング技術「OKAO Vision(オカオビジョン)」に関連したコンポーネントで、形状や用途は異なりますが、「人を検知・理解する」という点で共通しています。

人理解画像センサ:光を遮って検出!

まずご紹介するのは「人理解画像センサ」です。 このセンサは、カメラのような見た目をしており 視野角の異なる2タイプがラインナップされています。一見すると動画撮影ができそうなボードカメラですが、実際には動画を撮る機能はなく、UART または USB を使って通信を行います。指定したコマンドを送信すると、それに対応する検出や推定の結果が返ってくる仕組みです。

主な機能は以下の10種類に分かれます。
• 人体検出  • 手検出  • 顔検出  • 顔向き推定  • 年齢推定  • 性別推定  • 視線推定  • 目つむり推定  • 表情推定  • 顔認証

これらの機能を利用することで、たとえば人がカメラの前に立っているか、どの方向を見ているのか、さらには年齢層や性別の推定まで行うことができます。検出開始コマンドを送ると、その瞬間の画像情報を基に解析を行い、 結果を数値として返す仕組みです。

OKAO Visionの技術をコンパクトに実装できる点が大きな特徴で、高機能ながらも組み込みやすいソリューションとなっています。さらに、メーカーのWEBには製品紹介の動画や、SDK(ソフトウェア開発キット)も用意されているため、開発者にとって扱いやすい設計です。
個人的に面白いと感じたのは、「表情推定」の結果が数値として出力される点です。感情という抽象的なものが、データとして定量化されるのは技術的にも興味深く、応用の幅を感じさせます。

画像型人感センサ

もう一方の「画像型人感センサ」は、主に 天井に設置するタイプ のセンサです。
内部には4つの照度センサと1つの画像センサが組み込まれており、通信は TCP/IP または Modbus/TCP に対応しています。こちらも画像センサを備えていますが、あくまで内部処理のために使用されるもので、画像を保存したり外部に出力したりする機能はありません。

出力されるのは「人の数」や「座標情報」といった数値データのみです。
この仕組みにより、プライバシーを保護しながら人の存在を検知できます。 たとえば、防犯カメラでは録画映像を使って人の人数をカウントすることが可能ですが、映像を残すためにプライバシーの懸念が生じることがあります。その点、この画像型人感センサは画像データを保存しないため、個人情報を扱うことなく人の動きや混雑状況を把握できるのです。
そのため、カメラの設置が難しいオフィスの休憩スペースや公共施設、店舗などでも、「今どれくらい人がいるのか」「混雑しているかどうか」を可視化する用途に適しています。

まとめ

オムロンの人感センサは、「人を見分け、理解する」ための技術を高精度かつコンパクトに提供する製品群です。
人理解画像センサは詳細な属性推定や顔認識が可能で、インタラクティブなシステムやユーザー分析などに向いています。一方の画像型人感センサは、プライバシーに配慮しつつ人の存在を検出することができ、施設管理や混雑検知に最適です。
用途や環境に応じて選択することで、人をより賢く“感じ取る”システムを構築できるでしょう

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