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センサー特集

この記事は、弊社で取り扱っている商品の中から、センサーについて紹介いたします。

 

 

第5回 非接触温度センサ( 2020/12 公開 )

川原第5回目のセンサコラムは、MEMS非接触温度センサを紹介していきます。
人検出や異常高温のモニタリング用途での使用を想定しています。測定点数の違いにより機種を選択してください。

MEMS非接触温度センサ

MEMS (= 微小な電気機械システム) を冠しているだけあり、非常に小さいです。
形:D6T-1A-01の場合、12x11.6x9.2mm 程度の大きさです。

温度について人間が感じる範囲には限界があります。
私の“接触型の手のひらセンサ”で水を触った場合、「冷たい(-4℃)、ひんやり(15℃)、常温(23℃)、暖かい(45℃)、熱い(55℃)、やけどする(80℃)」およそ5段階検知です。一方、形D6Tは-40〜80℃までの範囲を0.06℃の高精度で測定できます。やはり機械には勝てません。

このセンサは対象物からの放射熱エネルギーをサーモパイル素子で受けることで対象物表面の温度を非接触で計測します。
計測方法は、あらゆる人や物が発している赤外線を熱に変換し、その熱を電圧に変換することで電圧値を数値として読み取っています。ただし、1個の熱電対で電圧に変換しても僅かな電圧しか生まれないため、複数を直列でつなげる事で、感知を可能にしております。この熱電対を直列に、しかも狭い範囲で作りこむオムロン社のMEMS技術があって、初めて製品化が実現できた製品だと思います。
画素数は、1x1素子から32x32素子までラインナップされていますが 平面の温度情報が分かるサーマルカメラと比べるとだいぶ少ない印象です。しかし、画素数を選べることで必要最小限な機能を選択できサーマルカメラに比べて価格を抑えることができます。

センサの用途
測定範囲が―40℃〜80℃の為、燃えている物や赤熱しているものには適しません。お湯の熱さぐらいまでが対象になります。
人の検出や一歩進んで、発熱者の検知にも使用できます。人検出では、同じく人感センサで焦電式というものがありますが
これは、赤外線の変化に対して反応するため、赤外線が変化しないとわかりません。

自動照明のトイレなんかで、照明が唐突に切れた場合はセンサに向かって手を振って照明をつけ直した事は無いでしょうか。それが、このD6Tだと(設置方法にも左右されますが)防ぐことができます。

コメディでは、写真や動画を見せ続けて監視カメラを誤魔化す場面がありますがこの温度センサを併用すれば誤魔化せないのではないでしょうか。

人だけではありません。
電化製品で異常がある場合、たいていは熱を持ちます。また熱が過ぎれば火事になります。制御盤の異常温度監視や庫内の熱源感知に使用できます。
32x32の非接触温度計だと周囲温度をまとめて測定できます。一部分だけ熱を発しているのか、周辺が熱を持って全体的に熱くなっているのかが分かると異常の分析に役立つのではないでしょうか。私は、ホットコーヒーの提供温度が一定であるかとか、焼き肉の網でどこの温度が高いか、分布が見られると面白いのではないかと思いました。

弱点としては、周囲と同じ温度の物が動いても分からない点です。例えば体温と同じ温度のお風呂に人が入っていても人の検出は出来ないと思われます。

詳しい仕様については下記をご参照ください。
https://www.omron.co.jp/ecb/product-detail?partNumber=D6T

次回は環境センサの紹介になります。

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